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公募情報

公募要領掲載の公募文

新学術領域研究(研究領域提案型)の研究概要

バルクナノメタル ―常識を覆す新しい構造材料の科学

領域略称名:
バルクナノメタル
領域番号:
2201
設定期間:
平成22年度~平成26年度
領域代表者:
辻 伸泰
所属機関:
京都大学大学院工学研究科

「バルクナノメタル(Bulk Nanostructured Metals)」とは、マトリクスを構成する結晶粒や相が1μm以下のサイズを有する均一なバルク状金属系材料のことである。近年実現できるようになった バルクナノメタルは、最小平均粒径10μm程度であった従来金属材料の常識を覆す、種々の特異な特性を示す。本領域は、バルクナノメタルが示す常識を超え た新規な物性・特性を、様々な分野・背景を有する研究者が、実験と理論・計算を連結しつつ、最先端の研究手法を駆使して連携的に明らかにし、サブミクロン 領域に潜む新たな材料科学に関する領域を打ち立てようとするものである。
このため、本領域では、下記の研究項目について、「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これらに関連する2年間の研究を公募する。1年間の研究は公募の対象としない。なお、研究分担者を置くことはできない。
公募研究の採択目安件数は、単年度当たり(1年間)の応募額500万円を上限とする実験研究を8件程度、300万円を上限とする理論・計算研究を4件程度予定している。
公募研究には、計画研究がカバーしていない領域に関する新たな研究を期待する。な お、計画研究が主として取り扱うのはバルクナノメタルの力学的特性であるが、公募の対象は力学特性に限らず、バルクナノメタルが示す新規の機能的特性も対 象とする。特に、若手研究者による挑戦的な提案を歓迎する。
なお、研究内容の詳細については、領域ホームページ(http://www.BNM.mtl.kyoto-u.ac.jp/)を参照すること。

(研究項目)
A01 バルクナノメタルの基礎物性・構造解明と材料設計
A02 構造を精密に制御したバルクナノメタルの創製プロセスの確立
A03 バルクナノメタルの力学特性解明と変形理論の構築

公募研究に対する考え方

新学術領域「バルクナノメタル」公募研究に対する考え方(より詳細な情報)

計画班が網羅しきれない研究手法に基づくバルクナノメタルの研究、新しい発想に基づきバルクナノメタルの組織・特性解明に資する挑戦的な研究を、公募研究に期待します。計画班はバルクナノメタルの諸特性の中で力学特性に重点を絞った研究活動を展開しますが、粒界・界面だらけの材料であるバルクナノメタルは、力学特性以外にも様々な機能特性を発現することが予想されます。公募研究には、力学特性等に関する研究に限るのではなく、そうした未知の機能特性を開拓する新しい研究にも期待します。具体的には、例えば下記のような研究項目を想定していますが、もちろんこれらに限るものではなく、ここには挙げていない新規な研究提案を歓迎します。また、若手研究者や、これまでにバルクナノメタル研究に携わってこなかった研究者の参画を期待します。公募班に対しては、総括班・計画班から、バルクナノメタル試料の提供の他、計画班で得られる知見や、必要に応じて力学特性評価や組織評価などの実験研究環境も積極的に提供します。

  • バルクナノメタルの配向性制御
  • バルクナノメタルの粒界性格制御
  • バルクナノメタルの新機能発現(磁性、電気伝導、超伝導、熱電特性など)
  • バルクナノメタル組織形成に及ぼす場(高静水圧場、磁場など)の影響
  • バルクナノメタルの新規創製プロセス
  • バルクナノメタルの拡散性の評価
  • バルクナノメタルの特性に及ぼす水素の影響
  • 放射光等を利用した回折現象によるバルクナノメタルの構造解析
  • バルクナノメタルからの相変態組織形成のシミュレーション
  • バルクナノメタルの組織・構造に基づく機能特性予測シミュレーション

実験を主体とする研究8件(予算500万円/年以内)と理論・計算を主体とする研究4件(予算300万円/年以内)の計12件の公募研究を想定していま す。公募研究は単独の研究者による2年間の研究であり、研究分担者を置くことはできません。

(研究項目)
A01 バルクナノメタルの基礎物性・構造解明と材料設計
A02 構造を精密に制御したバルクナノメタルの創製プロセスの確立
A03 バルクナノメタルの力学特性解明と変形理論の構築

各計画班のメンバーは、こちらをご覧ください。
また、本プロジェクト全体の研究概要に関しては、こちらをご参照ください。

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